映画館に住みたい。

邦画を映画館で観るのが大好きな40代がtwitterでネタバレを書けずにblogへ流れてきました。

ネタバレあり/時の流れを感じるシーン/柴咲家和室

ネタバレを書くために作ったblogなのでネタバレしか書いてないです。

『ヤクザと家族』を最初に観たのは試写会だったんですが、そのときに涙がだばーっと出たのは、2019年の柴咲家の和室でのシーンでした。
(ちなみに賢治の人生を想って泣いたのは翌日になってから)

2019年の柴咲家和室。たった6人になった組長と組員。

1999年に柴咲を助けた賢治が組事務所にお呼ばれしたときも同じ並びで座ってた。地位的には中村と賢治が逆に座るんだろうけど、1999年は賢治がお客で、2019年も賢治が主役なので、同じ並びになるわけで。だから、より一層、あのときはお寿司だったけど、仕出し弁当になっちゃった…という寂しさがこみ上げてきます(豆腐は出所した人だけなんですね)。
それに、親子血縁盃の儀式のときにはこの部屋(と似た部屋?同じ部屋?何度観ても断定できない…)にずらーっと組員が並んでたのに、今はたったの6人。儀式のときの司会進行は中村、この夜の開会挨拶も中村。少ない人数になっても真面目にきっちり挨拶する中村が切ない。賢治のグラスにビールを注ぐ柴咲を観ているとやっぱり儀式のときのビシッとかっこよかった親父の姿を思い出して悲しい。

ヤクザの衰退を感じるシーンは他にもありますが、繁栄していたあの頃との対比を感じやすいシーンだったので初見ではいちばん泣いたシーンでした。
試写会で観た翌日に「月刊シナリオ」で台本を読んで驚いたんですが、台本ではここに柴咲はおらず、途中で松田(部屋住みの子)が賢治のコップにビールを注いでます。もし、台本のとおりになっていたら、多分泣かなかったと思うんで、ほんとびっくりでした。