映画館に住みたい。

邦画を映画館で観るのが大好きな40代がtwitterでネタバレを書けずにblogへ流れてきました。

ネタバレあり/『孤狼の血 LEVEL2』がすごく好きだわ。

こちらにずっと書いていなかったんですが、『東京リベンジャーズ』にハマり(既に25回観ました。原作も本誌の最新話まで読んでる)、その後『孤狼の血 LEVEL2』にハマっています。この後、孤狼を観て思ったことをつらつら書きますが、ネタバレしかないので、ワンクッションとして関係ないことを少し。
5月に月間400時間ほど働いたところ、眠れない&食べられない状態に陥ったあげく、精神に異常が生じてしまい、危うく自殺するところでした。
5月は東京の映画館はほとんど営業してなかったんですよね。
映画館に行くことくらいしか日常的な趣味がなく、独り暮らしの在宅勤務。となると、いくらでも仕事に費やせる。その結果、過労自殺寸前…。映画館が営業していたら仕事なんて適当に切り上げて行ってたんだろうなぁ。

 


さて。
孤狼の血 LEVEL2』、9/22時点で既に9回観ました。

公開前にコロフェス(先行上映)と試写会で観て、正直なところ「もういい」と思いました。上林が怖すぎて。
でも、公開から半月経った頃、「上林は一貫性はあるんだよね。舎弟は上林に懐いてるし。あいつ、いいところあるかもしれないなぁ」という認知的不協和みたいな状態に陥って(笑)、段々と上林に逢いたくて震える状態に。
そんな状態で観た3回目、「え。待って。上林、大好き!!」としか思えなくなってました!

上林は殺す理由に一貫性がありますよね。親父や自分自身の尊厳を傷つけられることが許せない。だから殺す、という行動へ結びつくのはもちろん理解できないですが、サイコパスのように全く理解できない理由ではない。利益の為の殺人とも違う。
サイコパスは「上手に言いくるめて味方にし、その後は恐怖心で縛り付ける」もしくは「単独行動」といったイメージがあるのですが、その点も上林は違う。懲役の間、彼の帰りを待つほどの忠誠心を持った舎弟たちがいて、例えば、ピアノ講師を襲うときに凄惨な行為をしていても彼らは傍で目を背けることなくにやにやと見ており、恐怖心で縛り付けられているとは思えません。特に、舎弟頭の佐伯。ほんと楽しそう。佐伯がずっとにやにやしてくれてるから、上林が狂った孤独な組長じゃないって分かる。佐伯、好き。

ヤバいだけの人間ではないとはっきり思ったシーンがあって。
チンタがスパイであるという証拠写真を見る表情とチンタを殺害する表情に、快楽や怒りが見えません。残虐なだけの人物であれば、証拠写真を見た瞬間に「なぶり殺すための材料だ!」という顔になりそうだけど、彼はそうではない。そして、苦しまずに一瞬で死ねる殺し方にしている。ピアノ講師や二代目夫妻は生きた状態で目を抉っているのに対して、チンタは死んでからそうしているのも大きな差異だと思います(この遺体損壊は挑戦状的な意味合いなのかな…)。
あの表情をどう解釈するのが正しいのだろうとずっと考えているのですが、こうあってほしいという私の願望の投影かもしれないけれど、悲しみを含んでいるように見えます。
チンタの遺体にパスポートをつけて返しているのも切ないです。出自が同じ者としてそれを捨てることはできなかったのかもしれないなと思います(始末に困るからまとめて返しただけなのかもしれないけど)。

そういえば、指を詰めさせるシーンも上林の表情は残虐なことをして高揚している表情ではないんですよね。チンタが忠誠心を示すことができるのかという緊張感でひりひりしているような表情。指を詰めた後も舎弟たちがはしゃいだような声を上げる中で、彼は安堵の表情に近い。揺さぶりをかけ続けたチンタを漸く信じ始めることができるという安堵。そこからの裏切りの証拠なので、チンタがいちばんかわいそうだけど、私は上林もかわいそうだと思います…。
(幼少期に愛着形成がうまくいかなくて、大人になっても人を試す行動を繰り返すの、分かる…。これもつらい…)

そんなふうに観ていると、彼が悪魔のような人だとはなかなか思えなくて…。いや、やっていることはほぼ悪魔だけど。親父に深い忠誠心があって、舎弟たちには優しい組長なんですよ。
なので、上林がひどい!ということしか書いていない記事を読んでいると段々落ち込んでくるわ。暴れまくって終わりじゃないからね!人としての深みがあるからね!ちゃんと!!と言いたい。そういう人間として描いていること、そういう人間として演じていること、それって大事じゃないわけ??と思うんだけど、まあ、ネタバレになるからそうは書かないんだろうな。

と、少々真面目に書いたんですが、ここから若干ぶっちゃけた感想を。

抑え込んでいる加虐と被虐が健全に解消されるんですよね。上林を観ていると。
でも、それを普段はキレイに仕舞い込んで生きているわけで。
私、二代目夫妻を檻に入れていたぶってるシーンがめちゃくちゃ好き。あの畳み掛けるような追い詰め方が堪らないし、鎖を引き上げて首を締めるのも「きゃー」だし、頭をぺちぺちしてるのも悪魔的で好き。
雨の中で日岡をぼこぼこにするシーンで、頭を回し蹴りするのも好き。自分が実際やられたら死ぬのかもしれないけど、やられてみたいという好奇心でわくわく。
そして、上林が刑務所で拘束されているのも妙に興奮してしまう。
うん。自分の変態性を改めて自覚してる……ほんと、ヤバいな……

まだ書き足りないけど、長くなったので今日はこのあたりで終わり。
明日また観に行こうかなー。