映画館に住みたい。

邦画を映画館で観るのが大好きな40代がtwitterでネタバレを書けずにblogへ流れてきました。

ネタバレあり/『砕け散るところを見せてあげる』観ました。

土曜日(4/10)は
『ヤクザと家族』→『街の上で』→『ホムンクルス』→『砕け散るところを見せてあげる』
と新宿と渋谷で4本はしごしました。
このうちの3本に、五頭岳夫さんが出演されてるんですよね(『街の上で』『ホムンクルス』『砕け散る~』)。声が好きです。ほっとする。でも、『砕け散る~』はどこにいらっしゃったのか分からず…配信されたらまた観ます。

 


ということで、『砕け散るところを見せてあげる』を観ての、感想にもなっていないひとりごとです。
↓ネタバレ含みます。

■いじめと家庭の問題
玻璃のように、いじめられている子どもが家庭では虐待されているというのはない話ではないと思うんですよね。だからいじめていいことにはならないです、もちろん。
でも、その子どもを本当に救おうとするなら、そこから救わないと根本的な解決にならない。そこを描いているのが斬新だと思いました。

■冒頭のシーン
冒頭のシーン(現在のシーン)があるおかげで、段々とおそろしい展開になっていっても「いや、現在はああなってるから絶対どこかに救いがあるって!」と拠り所があって、ちょっとだけ肩の力を抜いて観られたんですけど、やっぱり玻璃のお父さんが背後から忍び寄ってきたときには、ビクッ!ってなりました……。

■玻璃も尾崎も尾崎妹も。
ホムンクルス』で初めて石井杏奈さんを認識して、かわいくてかっこいいお顔が素敵だなと思ったので、『砕け散る~』も観てみようと思ったんですが、顔が随分幼いなと思ったら2年くらい前に撮影された作品なんですね。
玻璃も尾崎も尾崎妹も化粧っけがない感じのメイクなんだけど美しくて、こういう言い方よくないんだろうけど、素材が素晴らしい…と思ってしまいました。

■長いシーン
清澄が制服を乾かした後に玻璃を送っていく商店街のシーン、道が少しずつ暗くなっていって、鳴っている音がこわくなっていって、UFOのせいだと言い始めて、夜空を上部に広く映し始めて…という変化が「ひょぉぉぉぉ」でした。このシーン、長すぎない?と思う人もいそうなくらい長いけど、長さがあるおかげで、この徐々に起きる変化がこわかった…。
長いって言えば、
トイレの用具置き場のシーンも長いんだけど、玻璃の謎な部分やコミュニケーションに問題があることが伝わってくるし、観ているほうは「分かったから!」とイライラしてくるんだけど、清澄がキレずに相手しているところに彼の深い優しさを感じます。
あと、清澄のお母さんが玻璃のお父さんを呼び止めて話し続けるシーン。内容的には普通に喋ってるだけなんだけど、「お母さん、もうやめてー!!!」って叫びたくなるくらいこわかった…。ホラー映画のあからさまなこわさよりも、断然こわい。
そういう「長さ」を楽める作品だと感じました。

■玻璃のお父さんがほんとにこわくて…
玻璃のお父さんの描き方がすごいですよね。
玻璃の壊れ方(石井杏奈さんの演技すごかった…)や、お父さんのちょっとした表情や視線の動き、ことばの吐き出し方に滲む違和感、さっきも書いた清澄のお母さんとの会話などで、異常性を増幅させていて、直接的に描かれている暴力的なシーンは最低限なのに、こいつ絶対ヤバい!っていうのがびしびし伝わってきて、もうほんとにしばらくの間は堤真一さんを見たらぞーっとしそうなくらいこわかったです。

■UFO飛んできたね
UFOが空に現れても普通に「あ。UFO来たか…」みたいな感じで、日常風景に心象風景が紛れていても、突拍子がないわけじゃなく、白けないのが不思議ですよね。

■瑠璃と玻璃
観終わった後の帰り道、最寄り駅から自宅まで歩きながら、「瑠璃さんがいて、玻璃がいて。玻璃って名前が玻璃にとってはきっと大切だったのに。玻璃のことを玻璃と呼べる人が誰もいなくなった人生でも、玻璃が笑って生きていられるのは…」と思ったら、涙がぼろぼろ出てきてしまって、深夜23時過ぎで人通りがほとんどなくてよかったです。
でも、玻璃は笑って生きている。清澄の愛が玻璃にとってどれほど大きなものだったのか分かる、そんな素敵な笑顔。
……あ、やばい、また涙出てきそう……


そんな感じで。ひとりごとでした。

おはぎ、食べたくなっちゃった。